MD30 3型以降をより速く快適に走らせる為に


‘09 07 / 13 

MD30ベースのチューニング車が “XR250クラス史上最強”に出来る 最期のベースで

あることは 以前より述べてきました。

それは数多くのパーツ群が有ってでの話です、不景気なこの折 再三に渡って述べて

きましたが メーカー側もパーツのストックが一番経済を圧迫する部分です。売れないものは

作らず すぐ生廃傾向にあります。 今が旬で ピークでしょう。


MD30をより速く快適に走らせる為にヴァイタル的考察編


来るべき数年後に排気ガス規制が更にきつくなるようです、ウワサによれば次期排気ガス規制に沿ったインジェクションが

導入されるらしい、更に簡単に改造出来ないような構造にもなるとも聞く。車の業界では規制が掛かってもそれをクリヤー

しつつ 性能も上げてきているが 2輪業界にはそれは望めないでしょう、高価で更に走らなく 同じ性能に戻すのに改良

するには今までよりもっと大金が掛かるモデルになるのは想像出来るでしょう。すなわち 現行もしくは今までのモデルを

大事に乗るのが一番楽しく速いマシンが創れる良い時期だと思います。

MD30 3型

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所有バイクとしてMD30が初めてとする世代が到来しています、そのMD30のスタンダード性能の現状を把握して頂く為

まず 現在の‘06 XR250(MD30)を‘94 XLR250R(MD22)と比較 考察してみよう。

今のMD30を過大評価せず 冷静に現状を見極めてみよう。


      ‘94 XLR250R (MD22)        ‘06 XR250 (MD30)

車名・型式: MD 22
全長×全幅×全高 (m) 2.165×0.860×1.210
軸距 (m) 1.430
最低地上高 (m) 0.285
シート高 (m) 0.860
車両重量/乾燥重量 (kg) 125/114
乗車定員 (人) 2
総排気量 (cm3) 249
内径×行程 (mm) 73.0×59.5
圧縮比 9.3
最高出力 (PS/rpm) 28/8,500
最大トルク (kgm/rpm) 2.5/7,500
燃料消費率(km/L)50km/h定地走行テスト値 50.3

→実測で30km/リッター以上は走行(10モード)

パワーウェイトレシオ:4.07kg/PS

※備考
‘86XLR250R
乾燥重量(Kg) 111
最高出力(PS/rpm) 28/8,500

パワーウェイトレシオ:3.96kg/PS

通称名 :XR250 XR250 (Motard)
車名・型式 ホンダ・BA-MD30
全長×全幅×全高(m) 2.175×0.805×1.190
              (2.110×0.790×1.150)
軸距(m) 1.425
最低地上高(m) 0.285 (0.240)
シート高(m) 0.875 (0.855 )
車両重量(kg) 133 (134 )
乾燥重量(kg) 119 (120 )
乗車定員(人) 2
最小回転半径(m) 2.2
エンジン型式・種類 MD17E・空冷4ストロークOHC単気筒
総排気量(cm3) 249
内径×行程(mm) 73.0×59.5
圧縮比 9.3
最高出力(PS/rpm) 28/8,000
最大トルク(kg・m/rpm) 2.6/7,000
燃料消費率(km/L) 40.0(60km/h定地走行テスト値)

→実質で24〜5km/リッター前後(10モード)

パワーウェイトレシオ:4.25(4.29)kg/PS

尚且つ回転リミッター:9.700rpmで設定
(XLRはノーマルでも12.000rpmまで回る)

※私見:実質データより1割近くダウンしていると思われる。 とすると パワーウェイトレシオ:4.72(4.76)kg/PS

       ‘92 XR250R(ME06)        ‘96 XR250R (ME08)

通称名 :XR250 R
型式 ME 06
全長×全幅×全高 (m) 2.100×0.910×1.225
軸距 (m) 1.425
最低地上高 (m) 0.325
シート高 (m) 0.925
車両重量/乾燥重量 (kg) 116/108
乗車定員 (人) 1
最小回転半径 (m) 2.1
エンジン型式 ME 06 E(空冷・4サイクル・OHC・単気筒)
総排気量 (cm3) 249
内径×行程 (mm) 73×59.5
圧縮比 10.2
最高出力 (PS/rpm) 30/8,000
最大トルク (kgm/rpm) 2.5/7,000

10モード燃費:30〜32km/L

パワーウェイトレシオ:3.6kg/PS

通称名: XR250R
車名・型式 ホンダ・ME08
全長×全幅×全高 (m) 2.110×0.830×1.215
軸距 (m) 1.4
最低地上高 (m) 0.315
シート高 (m) 0.915
車両重量/乾燥重量 (kg) 112/104
乗車定員 (人) 1
最小回転半径 (m) 2
エンジン型式 ME08E(空冷・4サイクル・OHC・単気筒)
総排気量 (cm3) 249
内径×行程 (mm) 73.0×59.5
圧縮比 10.2
最高出力 (PS/rpm) 30/8,000
最大トルク (kgm/rpm) 2.6/6,500

10モード燃費:28〜30km/L

パワーウェイトレシオ:3.47kg/PS

パワーウェイトレシオ比較(数値が1に近づくほど高性能)

       

     ※‘06 XR250 (MD30)     :4.25 (4.29 モタード)kg/PS

       ‘94 XLR250R (MD22)    :4.07kg/PS

       ‘85 XLR250RF (MD16)   :3.96kg/PS

       ‘87 XLR250Rh (MD20)   :3.96kg/PS

       ‘92 XR250R(ME06)      :3.6kg/PS

       ‘96 XR250R (ME08)     :3.47kg/PS


↑上記の数値比較のみを見てみても一目瞭然 同型RFVCエンジン系で比較すると過去最低の性能を誇る、

20年前のXLR250RFよりも格段に劣っていることを厳粛に受け止めなければならない。まさに”羊の皮を被った

子羊”である事を認識せざるを得ない。しかし以前より述べている通りマシン自体が基からダメになっている訳では

なく エンジンベース、オイル系、フレーム構成、サスペンションは過去最高の仕上がりのものになっています。

これをベースにすれば 間違いなく”地上最強のXR”が出来るDNAは持ち合わせている、それを生かすも殺すも

あなた次第で その意志がある方にはヴァイタルではサポートします。

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ユーザーのお話を伺っているとエアインジェクションシステムがエンジン性能を上げるユニットであると勘違いしている

方を多く見受けます。エアインジェクションシステムを正しくご理解頂けるよう下記↓にメーカーの解説をご覧下さい。


XR250 3型以降搭載 エアインジェクションシステムの解説(純正マニュアルより抜粋)

↑上記を見ればエアインジェクションシステムが性能を上げる為のシステムでは無い事は一目瞭然だ。


そこで手をこまねいているわけでなく下記↓に対策パーツがありますので紹介します。


XR250 Y 3 5 6 7型(MD30)用のエアーインジェクション解除Kit 

このシステムは今をさかのぼること15年前近く(いや もっと前かも)になると思いますが輸出向けの

ホンダ車に付いていたのを覚えています。排気ガスの規制がその当時の日本に比べかなり厳しかった為 

このシステムを開発してその基準をクリアさせていたのです。

そっ そっ それが今頃国内販売XRに付いてきたとは 思わず苦笑してしまいました。

見た目に目障りなお弁当箱が付いているので取ってしまおうと ユニットを外してしまうだけのキットは

このシステムを理解していない証拠で 何にも変わりません。どうせ付けるのなら”転んでもタダでは起きない”

のがヴァイタルの心情。従来のMD30 RFVCエンジン本来のトルク感を取り戻し(キャブジェッティングが担当) 

燃焼効率を上げつつ クランクケース内の回転上昇を妨げる内圧をいち早く抜いて(大口径ブリーザーが担当) 

エンジン回転が抵抗無く上昇するように設定いたしました。

※このキットはエンジンにとってナンのデメリット、リスクも有りませんので安心してご使用下さい。

(注)付属のジェット類は 吸排気系がノーマル仕様のセッティングです。

ジェット類の入れ替えは純正マニュアルに基づき 作業を行ってください。

商品価格¥14.200‐ 税込価格¥14.910‐

‘04 8/29 このキットは‘96MD30の状態までに復活させるキットですのでノーマル28馬力?は28馬力です。

大幅なパワーアップさせるキットではありませんのでご理解のほどよろしく御願い致します。

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更なる体感的フィーリングが劣る訳

・MD30にモデルチェンジして負圧キャブが標準装備となった、従来 負圧キャブの特徴は強制開閉キャブに比べ

 アクセルの開閉反応が作動構造上大幅に劣ります、その代わりエンジン回転が上昇につれ最低限必要な混合気が

 供給されるので 燃費が良い。MD30の場合 アクセル開度の1/3までは強制引き上げの機構を持ち強制開閉と

 同システムを持たせ低速域のレスポンス向上の役割を持たせている、しかし 強制開閉型としてはスロットルバルブ径が

 大きい為 このシステムを用いても従来の負圧キャブよりも低速レスポンスは多少マシ程度の体感に留まる。

 燃費が良い筈の負圧キャブなのに 加速ポンプ付きの強制開閉キャブ搭載のXLR250Rに比べ大幅に燃費が

 悪いのはこの負圧キャブと排気ガス対策に基づいた点火タイミングと車重増加が起因している。

 =余談=

・XLR250RにPJキャブを付けた場合 平均5km燃費が落ちる(リッター25〜6km前後)のが定番でした、MD30に

 当店の”通勤快足セット”組み込みでノーマルと変わらないかそれより良くなっている方が多いのが現状です(リッター

 25〜6km前後)、勿論体感加速はMD30ノーマルとは比べ物にならないほど向上するのは言うまでも有りません、

 まして”通勤快足セット”はエンジン寿命を縮める要素は何ひとつありません、MD30ノーマルエンジンの失われている

 性能をいかんなく引き出す為の最低限必要なベースキットです。性能的にはME08のノーマルと比較しても数段上の

 加速性能にアップします。・・・通勤快足セットを装着されたユーザーのインプレはQ&Aの中にありますので参照下さい。

※ノーマルMD30に”通勤快足セット”を組み込んだ状態では使用ガソリンはレギュラーのままでご使用頂けます。

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現状でXR250には満足している方はこちら 

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XR250 MD30 5型 

↑ オフロードモデル

↑ モタード

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‘06 3月31日発売 XR250 MD30 6型 マイナーチェンジ版

↑ オフロードモデル

↑ モタード

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MD30 最終モデルとなってしまった 7型

↑ オフロードモデル

↑ モタード

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MD30のノーマル仕様分析

XR250 3型になりマシン自体の骨格はかなり充実した。

=パワーユニット=

・エンジンについてはME06系に比べ動弁系(バルブ、スプリング、リテーナー、カムスプロケット、カムチェーン類の軽量)の軽量化
 →レスポンス向上

・ヘッドに関してはポート形状の見直し 冷却面積を広げた形状 ウィークポイントであった排気ポート←→プラグポート間のクラック対策

・カムベース径アップによるロッカーアームへのストレス軽減(ノイズ軽減)

・オイル潤滑系の吐出量の大幅アップ、そして何より最大の強みはドライサンプシステムの導入(冷却効率大幅アップ)

・材質の硬度アップ(主にアルミ系)・・・ME08はもっと強い

=シャシ=

・倒立サス採用によりメインフレームのステム回り大幅強度アップ

・その倒立サスのダンパーはCRM250のと比較しますと数段上のダンパー性能にアップ

・リヤショックは極端な2人乗り用セッティングで硬め(このぐらいがオフには向いている)


=ウィークポイント=(あえて、あ ・ え ・ て 言いますと)

・MD30になりホンダでは初のオフロード車に負圧キャブを採用(これで俊敏な動きは絶望的に)・・・排ガス対策に配慮されたもの

・燃料を吸わないカムシャフト・・・↑〃

・遅すぎる点火タイミング・・・↑〃(燃費が悪いメイン要素)

・フリクションロス軽減を狙い過ぎてカムチェーンテンショナーの張りが弱く 早い内から固着が多く見られる。

・シフトのタッチを軽くする為にシフトカム形状を浅くし過ぎて 中途半端なシフト操作では抜ける場合がある。

・カムチェーン側の前方 6mmロングスタッドのネジ代が浅く改善されて無い為ネジ上がりが多発。

・大幅リニューアルにお金を掛けた分 アンダーパイプをスチールに、保守電源に電気を食われたデジタルメーターをアナログに。

・大容量バッテリーの位置がフレーム最後部にあるためダートでのリヤサスの動きを悪くしている。

↑上記のものは対策パーツ有り GOODSを参照


しかし メーカー自主的な排気ガス規制の為に様々なシステムが導入されている為 その優れた性能は生かされないまま。

XR250 3型になり すでに1年以上になりますがその間 リミッターが入っている事は話題にも上らなかった、いや気付く人が

ほとんど居なかった。これは一体どう言う事かを深く考えなければならない。考えるにノーマルはリミッターが効く回転まで回すには

かなりの時間を要する、リミッターまでの約8部程でシフトアップしているようだ。※ピーク回転まで時間が掛かるフィーリングを

勘違いして 回転が良く伸びていると錯覚される方が最近多いようです。また 高いギアでは非常に回転の伸びは望めない。

もともとアクセルレスポンスや高回転まで良く回るエンジンに改良されているので 規制を解除し本来の性能を取り戻したい。


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